2012年05月24日

小児がんの医療・支援体制整備で議論- 厚労省検討会が初会合

小児がんの医療・支援体制整備で議論- 厚労省検討会が初会合 〜キャリアブレインより〜

 

 「がん」は小児の病死原因の第1位。小児がん医療の底上げをはじめ、治療後の社会的な支援や、終末期を含めた緩和ケア体制の充実など課題は山積しているが、患者やその家族が安心して適切な医療や支援を受けられる環境整備に向けた議論が動きだした。

 厚生労働省の「小児がん医療・支援のあり方に関する検討会」(座長=垣添忠生・日本対がん協会会長)は24日、初会合を開き、小児がん拠点病院(仮称)に必要な機能や、指定要件などについて議論した。委員からは、小児がん治療を専門にする医療機関を集約化することで、地域間格差が生じないよう配慮を求める声や、終末期の緩和ケアについて、拠点病院と診療所との連携強化が必要になるなどの意見が出た。

 この日の会合では、小児がん医療の専門家と患者会代表から意見聴取した上で、自由に意見交換した。大阪市立総合医療センターの原純一副院長は、小児がん拠点病院の要件を設定することで、小児がん診療の質担保や、病病・病診連携を後押しすることが重要だと強調。定期的な認定更新も必要だと指摘した。

 患者会を代表して、「小児脳腫瘍の会」副代表の馬上祐子さんは、患者家族が一番に望むのは、小児がん医療の「状況把握と情報公開」だとして、治療実績などが公開され、適切な水準が維持される体制になるよう求めた。また、小児がん拠点病院を事後的に検証する委員会が必要だとも訴えた。

 意見交換では、医療機関同士の情報のネットワーク化を求める意見が相次いだ。水谷修紀委員(東京医科歯科大小児科教授)は、日本小児血液がん学会として、拠点病院が「ハブ」機能病院として専門施設情報を集約するよう提案していることを説明した上で、「例えば、インターネットの日本地図をクリックすると、この病院はどういう特性を持っているかが分かるような工夫も必要」と述べた。天野慎介委員(NPO法人グループ・ネクサス理事長)は、「全国を数ブロックに分けて、ハブ機能病院を設置したら、有機的に連携して治療を行っていただきたい」と求めた。

 また、緩和ケアを充実させるために、拠点病院と自治体、さらには診療所の連携強化を求める意見があった。これに対して、道永麻里委員(日本医師会常任理事)は、「地域の緩和ケアでは、かかりつけ医の役割が重要。研修会などを通じて、緩和ケアに携われる医師を育成していきたい」と述べた。検討会は次回会合で、事務局が提案する小児がん拠点病院の指定要件の案をたたき台にして議論を続け、7月までに要件を決定する。【君塚靖】

 

( 2012年05月24日 21:28 キャリアブレイン )

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