2006年10月03日

【医療の雑学】〜 インフォームドコンセント 〜

今回は、「インフォームドコンセント」の意味について説明したいと思います。

そもそも、すべての人には、自分の人生を自分で選択し決定する権利があります。それと同じように、病気の治療においても、患者さんには自分にとっていちばん望ましい治療手段を選択する権利があります。場合によっては、それが自分らしい最期を迎えるための選択になるかもしれません。いずれにしても、選択のためには医療提供者側から、きちんとした情報の開示と説明、選択肢の提示がなされなくてはなりません。
そこで登場したのが「インフォームドコンセント」です。

☆ 言葉の意味と解釈 ☆
医療の現場で当たり前のように耳にするようになってきた『インフォームドコンセント』。その意味をいちばん端的に表している和訳は「説明と同意」といわれています。
もっと砕いた言い方をすると「充分な説明を受けた上で患者さんが治療方針に同意すること」ということになります。
しかし、この解釈では、治療の主導権は医療提供者側にあり、極端な言い方をすると、もしもの時に、医師に都合の良い「かくれみの」として悪用されてしまいます。「ちゃんと説明した」「事前に同意を得た」と言う言い逃れに利用されてしまうのです。
ですから、患者さん側はきちんとした正しい解釈を理解しておく必要があります。
実は、これにはポイントがいくつかあります。

まず、「充分な説明」の部分です。
医師の中には、「患者さんの病気や容態の説明を行い、医師が最良と考える治療の内容を説明すること」と思っている方も多くおられるようです。確かに、以前はそれが一般的でした。
しかし、現在求められている「充分な説明」は少し違います。
「患者さんの必要とする、あるいは知りたがるすべての情報を公開すること、患者さん自身が理解して判断・選択できるように、その患者さんが受ける可能性のあるすべての治療法について、そのリスクも含めて、きちんと説明すること」
というのが、現在求められている「充分な説明」です。
そして、これを複数の医師にもとめるのが、以前説明した「セカンドオピニオン」です。
ただ、進行ガンなどの場合、「充分な説明」は、すなわち「告知」ともいえます。そのような場合、本人にすべてを説明する事が果たして本当に良い結果に結びつくのか、まだまだ難しい問題を抱えているのも実情です。

もうひとつのポイントは「治療方針への同意」です。これも単に医者の勧めることを聞いて「はい、わかりました。そうしましょう」ということではなく、「医師から与えられたたくさんの情報の中から、自分の望む治療方針を選択・決定し、医療提供者側と意思の統一をはかる」というのが本来のインフォームドコンセントの考え方です。同意というよりむしろ「選択と決定」が重要であるといわれています。そのため「インフォームドチョイス」という言葉が使われることもあります。

前に少し述べましたが、「インフォームドコンセント」は、実は、もともと万が一の時に医師を守るための手段でした(世間ではあまり知られていません)。
しかし、今では、患者さんのための権利になりました。そのため、患者さん側も、その意味を正しく理解する必要があります。
病気によっては、自分らしく生きるための選択にもなりうるのもまた「インフォームドコンセント」なのです。
悔いの残らないように、上手に「インフォームドコンセント」受けることをおすすめします。
具体的な方法については、また次回、ご説明しようと思います。

posted by log_friend at 02:18| Comment(0) | TrackBack(0) | ■ 医療の雑学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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